大動脈解離をきっかけに珍しい病が見つかる事もある

2018年9月15日放送のチョイス
今回は大動脈解離についての特集
いつ起こるかわからない、そして発症すると
24時間以内に命を落とす可能性が
高いという極めて致死率が高い・・・
助かった人たちはどんなチョイスを
したのでしょうか？

72歳の女性、ある日電車に乗っていた時
突然激しい胸の痛みに襲われた。

ずきずきと凄い音がしていた
そして苦しくて、駅員さんがそれに気づき
救急車を呼んでもらい病院へ
そして検査をすると大動脈解離が
起こっていました。

大動脈は全身に血液を運ぶ大元の血管
なので一番太い血管です
これが避けてしまうのが大動脈解離。

まず大動脈の血管内にある内膜が
避けてしまい、そこへ血液が流れ込む
そしてドンドン膨らんでいき
大動脈が破裂する。

女性の場合、上行大動脈で大動脈解離が
起こっていました、血液がその付近で
多くたまると心臓の動きを
止めてしまう恐れがあったのです。

大動脈解離の詳しい話は
三井記念病院の竹谷剛先生が
教えてくれました。

大動脈解離の際
痛みは背中や胸などが激しく痛む
血管が破裂をしていなくても
大動脈からしみ出してくるという
場合もあります。

女性の場合、上行大動脈で解離し
血液が大量に出ていて心膜の内側に
血液が溜まり心臓が動きにくくなる
心タンポナーデを起こしていた。

大動脈解離の厄介な所は
症状がない事なんです
起こしやすい人として
・60代以上の男性
・高血圧
・ストレス
等を持っている人は普通の人より
引き起こす可能性があるとのこと。

女性はどういう治療のチョイスをしたのか？
それは人工血管置換術で治療をした
避けた大動脈を切り取りそこを
人工血管に繋ぎ変える手術です。

手術は成功し3日後から運動機能を
回復するリハビリを開始
治療後は元気に過ごされていた。

退院後も高血圧には注意
高血圧が長期間続く場合は降圧剤などで
血圧を調整する事もある
冬場は寒いので血圧が高くなるので
普段から高い人は要注意。

58歳男性、5年前に大動脈解離を発症
帰宅中に道端で胸に激痛が走り
我慢ができないくらいに・・・

救急車で運ばれ検査をしたら
弓部大動脈から左足の付け根あたりの
大動脈までらせん状に避けていた！

治療はまず痛み止めのモルヒネと
血圧を下げる薬を使用
この場合の大動脈解離は
緊急事態にならないことが
殆どだそうです。

男性が解離を起こしていた場所は
下行大動脈という部分、この場所は
心臓の動きを止めてしまう危険性は
それほど大きくない。

さらに男性の場合、広範囲に避けてはいたが
大動脈が急速に膨らむ事もなく
破裂の可能性は低いとのこと
なので男性は17日後に退院
そして3ヶ月に一度検査をする事に。

しかし3年後に大きく膨らみ破裂の
可能性が出てきたので
ステントグラフトを使って
大動脈の裂け始めた部分で広げて
大動脈が大きくなるのを防ぐ治療をした。

治療後、男性は元通りの生活を
送っています、何事もなく。

今回ステントグラフトの治療をしたのは
血管の太さが3㎝から6㎝になったため
5.5～6㎝になると
破裂の可能性が出てくるので。

大動脈解離の治療は紹介したので2種類
・人工血管
身体の負担は大きく、入院期間は
2～3週間ほど、治療できる部位は制限なし

・ステントグラフト
身体への負担は小さく、入院期間は
3～7日間、治療できる部位は
下行大動脈の一部となっている。

32歳男性、4年前に発症
仕事中に突然これまでにない息苦しさ
めまいが出てきた。

このまま仕事を続けるのが難しいと
感じて早退、そしてその足で病院へ行き
検査をすると異常がなかったとの事。

しかし家に帰っても息苦しさはとれず
精密検査を受ける病院を自分で探し
心臓の専門病院を受診。

精密検査の結果、大動脈解離と診断
そして心臓の弁まで壊れていた
普通心臓から大動脈血液を出す時
逆流しないように弁がついていますが
これが大動脈解離の影響で壊れていた。

そのため血液が逆流し
『大動脈弁逆流症』
となっていて
命に関わる危険な状態でした。

どうして若い人が大動脈解離を
起こしていたのか？そこには
『マルファン症候群』
という疾患が関係していた。

血管を構成するタンパク質に遺伝的な
異常があり、それによって大動脈解離を
非常に起こしやすい状態だという。

男性は避けた大動脈と壊れた弁を
取りかえる手術を行いました
そして18日後に退院
現在は降圧剤を服用しています。

マルファン症候群の人は
・背が非常に高い
・手足の指が長い
・腕も長い
という身体的特徴がある。

最終的には検査をして大動脈の
太さが3㎝を超えていると
マルファン症候群という診断をする
これはおそらく大動脈解離の影響で
血管が膨らんでいない状態の時の
サイズかと思われます。

そして大動脈の中膜が弱い
という特徴もあるそうです。

チョイスかわら版