加齢黄斑変性は早期発見が重要!予防するには?
2015年7月18日放送のチョイス、本日はものが歪んで見える目の病気の特集。
今回は白内障や緑内障ではない、近年急増中のある病気です。
目次
歪んで見える目の病とは?
75歳男性、15年前に目の異変に襲われ現在右目は
物を見ることが出来ません。
取材スタッフさんの顔を見ると、真ん中が黒く周りが
ぼやけて見えるそうです。
最初の異変に気付いたのは、お孫さんと
キャッチボールをしているとき。
何メートルか先でボールが消えてしまうという現象に。
そこでおかしいとは思ったのですが、疲れが原因と思って
いましたが、次々と異変が襲います。
次に読書をしているときに右目だけで見たときに
みたい部分が黒い点になって見えない。
ここで眼かへ行って診てもらうと、加齢黄斑変性という
病にかかっていました。
加齢黄斑変性は、眼球の奥にある網膜に異変が起こります。
網膜にある黄斑というのはへこんでいます、こういう感じに。
右が加齢黄斑変性の網膜ですが、盛り上がっていますね。
なぜ盛り上がっているのかというと、網膜のへこんだ部分の
下の所に新たな血管ができてしまい、その血管が
網膜を押し上げたからなんです。
このせいで75歳男性はものが見えづらくなっていたんです。
この時点での治療というのは難しい状態になっていました。
治療をしても視力が戻らない、そして物を写す細胞が
傷ついて減ってしまっているので
治療しても働きが戻らない状態だと、お医者さんは判断しました。
そして9年後には左目も加齢黄斑変性となってしまいました。
片目に症状が出てから、数年後にもう片方に出る
という人は多いようです。
加齢黄斑変性がどのようにして起こるのか?
まず眼球とその奥にある網膜の画像です。
更に網膜に注目してみてみます、正常な網膜と
加齢黄斑変性になった網膜の画像です。
遺伝的なものも関わりますが、お酒タバコなども
原因なのではないかとも言われてます。
はっきりとしたことは現在もあまりわかってない感じです。
早期発見できた場合だと、治療をすれば見え方の
回復が見込めるともされています。
この早く見つけるというのが難しい所です。
この病は現在急増している病です。
1998年には37万人でしたが、2012年には89万人となっています。
14年間で2.5倍になりました、50歳以上の方が多いです。
失明するメカニズムは、黄斑の変性が大きくなって範囲が
広がり、盛り上がった状態が痕として残ってしまうからと言われてます。
加齢黄斑変性の早期発見法として、アムスラーチャートという
こういうのを使い検査をします。
中心の白い点が見えなかったり、格子状のラインが歪んで
見えたりすると病院へ行った方がいいかもしれません。
加齢黄斑変性の進行を食い止めるには?
72歳男性ですが、加齢黄斑変性の進行を食い止めました。
この方は1年半前に左目に異常に気が付きました。
外出先でも電柱が歪んで見えたり、外壁が波打って見えたりなど。
最初は病院へ行くのにおっくうになっていましたが
奥さんが行ってきた方がいいという言葉があり、病院へ行くことに。
その奥さんの言葉がなければ恐らく進行していたことでしょう。
早期発見の状態だったので、加齢黄斑変性の治療は可能でした。
どういう治療をしているのかというと、眼球に直接注射をします。
痛みはあるのかというと、一瞬だけ痛いだけです。
でも怖くないのでしょうか?目の前に注射の針が迫るのって・・・
ん~私はぞっとする。
治療薬は抗VEGF薬というもので、加齢黄斑変性のせいで
盛り上がった網膜を、抗VEGF注射をすることで
盛り上がりを沈めたり、網膜の下で新たに血管が出来ないように
またできた血管をなくしてしまう様にする効果があります。
効果はすぐに出てきたそうで視力が少し回復したそうです。
私はあれは麻酔なしでやっているのかと思ったら、そうではなくて
・注射の前に点眼麻酔をする
・機械で目を大きく開き、目自体は下を向いて、針は視界に入らないように注射する
という事をやっているようです。
注射をする期間ですが
最初は3か月連続でやりまして、それからは医師が経過を見て
注射の間隔を調整するようです、継続はしないといけない。
費用の目安ですが、1回の注射で5万円から6万円となってます。
治療後は経過観察が必要となるので、きちんと病院へ
行く必要があります、注射の効果も3か月ほどと言われていて
注射をして網膜の盛り上がりを沈めることができますが
3か月後にはまた網膜が盛り上がってくるためです。
大切な事があります!
この抗VEGF注射は、脳梗塞になった人などでは
再発する危険性があり、使用できない場合があります。
また、注射で目が細菌に感染する危険性もあります。
加齢黄斑変性の前兆を見つけるには?
日本大学病院のアイセンター長、湯澤美都子さんに話を聞くことに。
それは、目の奥を見る眼底カメラというもの。
どうやって検査をするのかというと、まず瞳孔を開く目薬をして
それから眼底カメラで目の奥を調べます。
何を調べていたのかというと、ドルーゼンというもの。
ドルーゼンというのは、網膜の奥にたまる老廃物の事。
ドルーゼンが溜まっている目と溜まっていない目を見比べると
ドルーゼンが溜まっていると、加齢黄斑変性になる可能性が高いとのこと。
ドルーゼンは網膜の下にたまるのですが、加齢でこの
ドルーゼンの排出がうまくできなくなってきます。
溜まっていると新しい血管ができるので
加齢黄斑変性を引き起こす老廃物とされています。
50歳を超えたら、眼科を受診しましょう!
では、ドルーゼンがあるとわかったらその先はどうするか?
まず造影検査というものをします。
眼底の血管を調べ新たな血管がないか見ます。
もう一つがOCT検査、網膜の断面を見ることができます。
黄斑にふくらみがあればすぐわかるとのこと。
検査費用の目安です。
加齢黄斑変性の予防とは?
75歳女性、見事に加齢黄斑変性を予防できているとのこと。
一体どういう事をしているんでしょうか。
1年前に眼底の写真を撮ってもらったら、ドルーゼンが
溜まっていました。
加齢黄斑変性の危険性がありました。
そこであることを伝えました、それは・・・・
「緑黄色野菜をバランスよく摂る事」です。
緑黄色野菜をしっかり摂ると、ドルーゼンの発生を抑えます。
それは緑黄色野菜に含まれる抗酸化作用です。
他にもサプリメントを摂取しています。
ビタミンAとCとE、ルテイン、亜鉛が入ったサプリメントです。
このサプリメントというのは、特別に医師が処方するようです。
自分で購入するのとは配合が違いますので、自分で購入しないように!
なので、お医者さんから購入すると自己負担となります。
75歳女性の方はこれを一年続けて改めて検査を受けると
ドルーゼンの量は減っていました。
網膜の盛り上がりも消えていました、食生活に気を付けた賜物ですね。
ドルーゼンをためないために、このようなものを摂取しましょう。
特にルテインは黄斑色素を増やし視細胞を守る栄養素です。
あと喫煙も加齢黄斑変性になるリスクがあるとされています。
加齢の次に喫煙が加齢黄斑変性になるリスクがあると言われていて
喫煙者の加齢黄斑変性発症率は、喫煙者じゃない人の
4倍から5倍と言われてます。
以上となります!